株式会社小学館様(後編)

【Media UX LAB サービス事例紹介①】
PVは22倍、UUは4.5倍へ急成長
小学館「8760 by postseven」のリニューアル戦略(後編)

CCIが、THE GUILD社、TesTee社と共同で展開している、メディアビジネスにおけるUX/UIの改善プロジェクト「Media UX LAB」。 今回は、Media UX LABがUX/UI改善に参加し、2021年5月27日にリニューアルを果たした小学館メディア「8760 by postseven」にフォーカス。前編で紹介した事前リサーチと戦略設計に引き続き、後編では、リサーチで導き出されたコアコンセプトをメディアコンセプトとして昇華させていくプロセスや、リニューアル実施後に本メディアで起きた環境変化について紹介していきます。


◀◀◀前編から読む

2つのコアコンセプトを軸に、新しいメディアコンセプトが完成

事前リサーチと分析結果から生まれた、「美・健康」と「スマートライフ」という2つのコアコンセプト。これらを軸に、ターゲットや現状のメディア課題をふまえ、あらためてリニューアルの方向性を見極めるフェーズに入ります。具体的には「アラフォー以降の世代をターゲット」に、「“ダイエット”というテーマ一本足からの脱却」を実現し、「美・健康とスマートライフ領域を基軸」とした新メディアへのリニューアルを掲げ、理想のメディア像についてさらに議論を重ねていきました。


そして生まれたのは「年を重ねることが楽しくなる大人女性のためのWebメディア」というメディアコンセプト。年齢を理由にあきらめることなく、スマートに時代を生き抜いていくターゲットに向けた、“自分らしい今”を楽しむためのメディアを目指すことが掲げられています。「24時間×365日=8760時間を、より豊かに、前向きに生きてほしい」という意味を込め、生まれ変わったメディアには「8760 by postseven」(読み方:ハチナナロクマル バイ ポストセブン)の名が冠されました。


新しいメディアコンセプトを共有したスタッフ間の意識がコンテンツ作りにも奏功

定量調査から導き出した仮説を定性調査で裏付けるまでの過程がスムーズにいったこと、そしてメディアの新コンセプトを生み出すプロセスが組織全体で共有できたことも功を奏し、その後のサイトデザインやコンテンツ開発などのアウトプットは大きな支障なく進行したといいます。


「“各分野の専門家取材を通して得たエビデンスの確かな情報を届ける”という部分は踏襲しつつ、“大人女性たちが前向きに年を重ねていくための様々なアイデアを発信していく”という方針が明確になったことで、どんな記事を作るべきか、スタッフ間での共有がしやすくなりました。扱うテーマは多岐にわたりますが、とりわけ関心の高い“オトナ美容”カテゴリでは、単に若さを求める内容ではなく、年を重ねることを受け入れて楽しむための情報を、また“スマートな暮らし”カテゴリでは、時短レシピや収納術、家事ラク家電、ペットの情報まで、毎日の暮らしがより充実する工夫、アイデアを紹介するよう心がけています。さらに、以前であれば、どうしてもPVを意識して、ネガティブな感情を刺激するようなタイトルで記事を訴求してしまうこともありましたが、新コンセプトを通し、ポジティブなスタンスを貫くことに迷いがなくなったのも、大きな変化です」(株式会社小学館「8760 by postseven」・編集長/大橋氏)


リニューアルの成功要因は、組織の柔軟性とスピード感

同じ方向、目的に向かって意識を揃えた編集部が、様々なアイデアや施策を打ち出したことに加えて、新コンセプトの独自性や明快さなども材料となり、大手ポータルサイトへの記事配信がはじまったことなど、様々なファクトが重なり、「8760 by postseven」は、リニューアルオープンから約5か月後の2021年10月に、月間2139万PV、183万UUを記録。リニューアル直前の4月と比較して、PVでは約22倍、UUでは約4.5倍となる急成長を遂げました。課題だったタイアップ広告についても、問い合わせが増加し、決定した案件も少なくないといいます。


UXデザインのエキスパートであり、本プロジェクトの戦略設計を担当したTHE GUILDの渡邉氏よれば、今回の成功の大きな要因は、リニューアルに向けた戦略や施策に加え、組織の柔軟性やスピード感も大きいとのこと。

「組織のパーパスを定義する際にユーザー不在で企業側の都合で決まってしまう…といったメディアは、非常に多く見受けられます。ユーザー視点で作り上げたコンセプトを基に、しっかりとパーパス“大人女性たちが前向きに年を重ねていくための様々なアイデアを発信していく”を定義し、なおかつそれを回し続けられるというのは、実はかなり稀有な例。せっかく良いコンセプト・戦略設計をしても、なかなか現場全体に落とし込めず、結果的にそれらに関する資料がフォルダの奥底に眠ったまま…といったことも少なくありません。そんな中、調査によるエビデンスと、そこから生まれたコンセプトを信じ、きちんと組織に浸透させられる柔軟な組織体制とリーダーシップは素晴らしい。加えて、そこで共有した内容を素早く記事作りに生かせる編集部のスピード感とコンテンツ開発力はさすがだと思いました」(株式会社THE GUILD・データストラテジスト/渡邉氏)


コロナ禍でリニューアルを遂げた「8760 by postseven」には、コロナを経て今後も変わり続けるユーザーの情報接触行動をつぶさに観察し続けながら、コンセプトの拡張やアップデートを繰り返し、アウトプットしていくことが期待されます。真にユーザーに寄り添うメディアとして生まれ変わった「8760 by postseven」が、これからさらにどんな進化を遂げていくのか。Media UX LABは、引き続き注目していく予定です。

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